AWS re:Invent 2020 Amazon Connectアップデート情報まとめ

記事タイトルとURLをコピーする

こんにちは。Amazon Connect 専任担当の丸山です。

AWSが提供するコンタクトセンターサービス Amazon Connect は2017年に登場してから次々と機能を追加してきました。
2018年12月に東京リージョンに上陸してからは日本でも利用が急速に広まりました。
現在サーバーワークスでは、幅広い業界において導入および運用のご支援をさせていただいています。
そしてサーバーワークス自身も日々の業務でAmazon Connectを活用しています。

現在開催されている re:Invent 2020 でも Amazon Connect の新機能が発表されました。
発表されている新機能をまとめてご紹介します。

f:id:swx-maruyama:20201202171407p:plain

Amazon Connect Customer Profiles

aws.amazon.com

Amazon Connectは単体で利用することもありますが、SalesforceなどのCRMシステムと統合して利用することも多いと思います。
着信時にお客様の情報をすばやく確認して最適な対応をするためにCRM連携は重要な役割を果たします。

お問い合わせ対応に必要な情報がCRMにすべて集約されていればこれだけでよいでしょう。
しかし企業の中では複数のシステムやサービスを利用しており、情報が分散していることも多いのではないでしょうか。

この分散した情報を顧客ごとに「プロファイル」としてまとめて、お客様対応時に利用できるようになるのが「Amazon Connect Customer Profiles」です。

2020-12-02時点では、Salesforce,Zendesk,ServiceNow,Marketoへの接続コネクタが用意されています。
Amazon Connectのソフトウェア開発キット(SDK)とアプリケーションプログラミングインターフェイス(API)を使用して、他の自社開発アプリケーションに接続することも可能です。

利用料金は、以下の通りです。
Customer Profiles usage $0.0025 per profile/per month

Amazon Connect Tasks

aws.amazon.com

Amazon Connectでオペレーターは同じソフトフォン(CCP)のインターフェースで、通話とチャットのチャネルが用意されています。
同じインターフェースでタスクも管理できるようになりました。
通話、チャット、タスクを統合管理することができます。
すなわち、ルーティング・構成・分析・管理ツールを利用して管理することができます。
タスクの種類によっては問い合わせフローで自動化することができます。
現在、SalesforceとZendeskとの統合機能を提供しています。

利用料金は、以下の通りです。
Tasks usage $0.04 per task

Real-time customer insights using machine learning with Contact Lens for Amazon Connect | AWS Contact Center

aws.amazon.com

Contact Lens for Amazon Connect は、Amazon Connect に組み込まれた一連の機械学習 (ML) 機能です。
通話内容をテキスト化して全文検索が可能です。
感情分析、連絡先の自動分類、より詳細なコンタクトデータの表示を可能とします。
Contact Lens for Amazon Connect は、2019年のre:Inventで発表され2020年7月に正式リリースされました。
今までのContact Lens for Amazon Connect はコール後の分析を提供していました。
今回のアップデートでは、分析情報がリアルタイムで利用できるようになりました。
かなり未来的で魅力的な機能ですが、残念ながら日本語は現在対応していません。
Contact Lens for Amazon Connect はまだまだ機能追加が予想できるので、日本語対応を期待しています。

Amazon Connect Voice ID (preview)

aws.amazon.com

本人確認を、機械学習をベースにした音声認識によって自動かつリアルタイムに実現するサービスです。
通話が途切れることなく本人確認がシームレスにできるようになります。
本機能はプレビュー(一般にはまだ提供されていない機能)となります。

利用料金は、以下の通りです。
Voice ID usage $0.025 per transaction

Amazon Connect Wisdom (preview)

aws.amazon.com

Wisdomは、機械学習(ML)を利用した検索やリアルタイムの推奨など、Amazon Connectに組み込まれたエージェント支援機能を提供し、エージェントが顧客の問題を解決するための関連情報をすばやく利用できるようにします。
Contact Lens for Amazon Connect とあわせて利用をすれば、Amazon Connect Wisdomはリアルタイム分析を活用して、通話中の顧客の問題を自動的に検出し、問題の解決に役立つ情報をリアルタイムで推奨することもできます。
AWSのブログによるとプレビュー中にSalesforceとServiceNowのコネクタが含まれ、リリース時にさらに追加される予定、とのことです。

本機能はプレビュー(一般にはまだ提供されていない機能)となります。

アップデートの感想

比較的大きなアップデートの発表でしたね。
コンタクトセンターの運用がよりスムーズになるアップデートが多かったのではないでしょうか。
小さな機能拡張は Amazon Connect は頻繁に行っています。
利用しているだけでどんどん拡張されていくのがクラウドサービスのすばらしい特徴ですね。
しかもこのような機能拡張はシステムが停止することなく提供されています。
AWS界隈で生きているとわりと当たり前のことですが、コンタクトセンター業界では計画停止が当たり前です。
このクラウドの恩恵を多くの方に伝えていきたいと改めて感じました。

今回の re:Invent 2020は完全オンラインで開催されています。
新機能に関するセッションも追加されていました。
これからでもまだ登録は間に合います。
気になる機能があった方はぜひ、re:Invent 2020のセッションも御覧ください。

丸山 麻衣子(記事一覧)

Amazon Connect 専任担当
Amazon Connect の情報をお探しの方はこちらもどうぞ